舞鶴要塞司令官時代のイラスト

杉野はいずこ~軍神第一号~

2018/02/02

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日露戦争の前半、海軍は失敗の連続だった

我が国の快勝におわった日露戦争、その立役者は対馬沖(日本海海戦)で世界的な大勝利を上げた大日本帝國海軍、なんですが。(コチラは対馬沖での駆逐艦の活躍

実は黄海海戦まで、その闘いは困難を極めて失敗の連続でした。
詳しくはまたの機会に触れさせて頂くとして、その中に輝く日本人の勇気と忠誠と誇りを。
皆さまも良く御存じでしょう、日露戦争の旅順港閉塞作戦であります。

現在の旅順港画像、陸側より

現在の旅順港、陸側より

現在の旅順港も軍港です
入港してきた船との比較でお判りのように、封鎖しやすい港

日露戦争は、我が国にとっては
「将来的に朝鮮半島にロシア勢力が進出してくることを挙止する」
事が目的です。

日清戦争で合法的に獲得した遼東半島は、ロシアに脅し取られて旅順にはロシアの大要塞が築かれてしまいました。まあ、そこにあるだけならどうってことはないのですが。

遼東半島図

遼東半島図

問題は旅順を母港とする艦隊の存在で、これをなんとかしないと国内から大陸への補給が妨害される。
さらに、近い将来に来寇が予想されるロシア本国(バルチック)艦隊と合流されると我が連合艦隊では太刀打ちできない勢力になってしまう。

幸い、同じ極東のウラジオストック艦隊は活発に行動するが、旅順艦隊の動きは鈍い。
しかし、旅順港に殴り込むのは沿岸砲台が怖すぎる。
「ならば、狭い旅順港の出入り口の水路をふさいで、敵艦隊を旅順に閉じ込めてしまおう!」って言うのがこの作戦ですから。

初めから、敵前で決められた地点で自沈する目的ですから決死行です。
参加将兵は全て志願。後の特攻とは違って、疑いを入れる余地のない志願です。

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やっと此処から本題です

閉塞作戦は3度チャレンジしてすべて失敗してしまったのですが、大日本帝國海軍にとって忘れてはならない二人の英雄を産み出す事になりました。

2度目のチャレンジで閉塞船「福井丸」を率いた広瀬武夫少佐(戦死後中佐)と杉野孫七上等兵曹(戦死後兵曹長)です。

旅順閉塞作戦図

旅順閉塞作戦図

話は皆さん良く御存じの通り、「福井丸」を自沈させようと杉野上等兵曹が船底へと降りて行きます。撤収命令を出してカッターに移乗した広瀬少佐でしたが、杉野上等兵曹が帰って来ないことに気付きます。

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杉野が帰って来るまで待つ、どころか広瀬少佐は自ら3度にわたって船内をくまなく探しましたが見つからず。
ついに杉野上等兵曹を諦めてカッターに戻った広瀬少佐を無情な敵弾が襲う…
広瀬少佐の亡骸はロシア軍が回収して弔ってくれたそうですが、杉野上等兵曹は遺骸も発見されていません。

ロシア女性に人気?

広瀬武夫は柔道の達人でもあり、ロシア駐在武官時代は良くモテたようです。
貴族の娘のアリアズナ・コヴァレフスカヤとの恋は有名で、広瀬自身も郷里の姉に絵葉書を送って紹介したりしています。

広瀬武夫が姉に送った絵葉書

広瀬武夫が姉に送った絵葉書

実家の方でも、「異国の嫁が来る」と自宅の敷地内に洋館を建てていたと言いますから「戦争に引き裂かれた恋」だったのかも知れません。

アリアズナ・コヴァレフスカヤ

アリアズナ・コヴァレフスカヤ

アリアズナ・コヴァレフスカヤ
この画像はあんまり出回ってないぞ

他にも、マリア・フォン・ペテルセンと言う医者の娘も広瀬には好意を寄せていて、戦死を聞いて彼女が送ったお悔やみの手紙が残されています。

これには、ローマ字で「TAKEOSAN」と書いてあり、ちょいと涙を誘われます。

広瀬自身は二人の気持ちに気付いてはいなかったようですが、よほど出来た男だったんでしょうね。

日清戦争の戦利品の戦艦「鎮遠」を清掃した時は、自らトイレ掃除をやって見せたそうです。
そんなところから、部下からはたいへん慕われていたようで、杉野孫七も「子供の内一人は広瀬少佐に預けて海軍軍人にせよ」と遺言して出撃したと言われています。

後の特攻と違って、このころの海軍エリート軍人の率先垂範ぶりと、水兵の信頼感が判るエピソードだと思います。
杉野上等兵曹のご子息は二人で、長男修一・次男健二共に父の遺言どおり(広瀬は父とともに散りましたが)海軍へと進み、どちらも敗戦時には海軍大佐まで上り詰めていました。

戦艦陸奥、昭和16年鹿児島湾

戦艦陸奥、昭和16年鹿児島湾

同型艦陸奥

特に杉野修一大佐は敗戦時の戦艦「長門」艦長です。

父の時代と異なり、部下だけに死を命ずる同僚をどんな気持ちで見つめていたんでしょうか?
残念ながら、その心情を忖度出来る資料を私は知りません。

大日本帝國海軍最後の意地を米国に見せつけた大戦艦の最後の艦長が、旅順港の杉野上等兵曹の息子さんだった、コレが書きたかっただけのしょうも無い記事でした。

続編はもう少し面白くなると思います、たぶん…

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-人物, 帝國海軍, 政策・戦略・戦術
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